七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えず
読み方
しちじゅう にして こころ の ほっする ところ に したがえども のり を こえず意味
孔子が晩年の境地を述べた言葉。七十歳になると、自分の心が望むままに行動しても、礼や道徳、社会の規範を踏み外さなくなったという意味。長い修養によって、欲望と正しい道とが自然に一致する円熟した人格の理想を表す。由来
出典は中国古典『論語』「為政」篇の孔子の言葉「七十而従心所欲、不踰矩」。孔子(紀元前551〜前479)の生涯を振り返る章句で、成立は戦国時代前期ごろ(紀元前5〜前4世紀頃)とされる。日本へは漢籍受容とともに伝わり、江戸時代の儒学教育などを通じて広く知られた。備考
『論語』由来の故事成語で、格調高い文脈で使われる。年齢そのものより、修養を経た人格の円熟を表す点に注意。例文
- 祖父は七十を過ぎてなお穏やかで、まさに七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えずという境地に近い。
- 若いころは感情に流されがちだったが、年を重ねて七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えずの意味が少し分かってきた。
- 自由に発言しているようで誰も傷つけない先生の姿に、七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えずという言葉を思い出した。
- 七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えずとは、単に好き勝手に生きることではなく、長年の修養の結果として道を外れないことだ。
- 社長は引退の挨拶で、まだ七十にして心の欲する所に従えども矩を踰えずの境地には遠いが、そうありたいと語った。
類義語
- 従心
- 思うままにして道を外れず
- 円熟の境地
- 心のままにして法度を越えず
対義語
- 欲のままに振る舞う
- 矩を踰える
- 羽目を外す
- 放縦に流れる